本の選び方
実用書は「知りたいこと」を一つ決めて選ぶ。
役に立ちそう、で買った本が積まれていくなら。目次と自分の疑問を照らし合わせ、読む目的を具体的にする方法です。
時間の使い方、片付け、文章の書き方。どれも役立ちそうで、気付けば似たテーマの実用書を何冊も選んでいる。けれど、自分が変えたい場面が曖昧なままだと、どこから読めばいいか迷います。
購入前に必要なのは、立派な学習目標ではありません。いま困っている一場面を、少し具体的に書くことです。
大きなテーマを、小さな質問へ変える
「文章がうまくなりたい」なら、「連絡メールの冒頭が長くなる」「説明の順番を決められない」のように分けます。片付けなら、家全体より、毎朝鍵を探す場所を一つ思い浮かべてもよいでしょう。
質問が小さくなると、本のタイトルにひかれるだけでなく、目次のどの項目が自分に関係するかを見つけやすくなります。すべてを解決する一冊を探すより、まず一つの疑問に近づける本を選びます。
目次から、読む予定の章を選ぶ
目次を確認できる場合は、開いてみたい章を二つほど挙げます。試し読みも使えれば、説明が抽象的なのか、手順や事例があるのかを見ます。
自分が欲しいのは、背景の考え方か、すぐ試せる作業か。前者を求める日に手順だけの本を選んでも、後者を求める日に議論中心の本を選んでも、期待とのずれが生まれます。
著者の立場と、説明の前提を見る
どんな経験や分野から書かれた本なのか。紹介文や著者情報を読み、自分の状況とどこが重なるかを考えます。経歴が立派でも、想定する読者が違えば、そのまま使いにくい方法もあります。
たとえば大きな組織を前提にした例を、一人の作業へどう置き換えるか。置き換えが必要だと分かって読むのと、そのまま使えると思って読むのとでは受け止め方が変わります。
読んだ後の、小さな試し方まで決める
一章を読んだら、次のメール一本で説明順を変えてみる。片付けの一案を、机の引き出し一つで試してみる。結果を見られる範囲にとどめると、自分に合うかを考えられます。
なお、専門判断が必要な領域では、一冊だけを根拠に大きな決断をしないこと。日常の工夫でも、著者の方法が全員に同じ結果をもたらすわけではありません。読み終えた冊数より、自分の疑問がどう変わったかを記録してみてください。